28406410_s

「不登校の子どもをもつ親の気持ちを理解してほしい」「辛い気持ちをどうにかしたい」などと考えていませんか。

子どもを育てる親も、子どもと同じかそれ以上に悩むことが多いといえます。

一方で、周囲から十分なサポートを受けられない場合が多いと考えられます。

ここでは、不登校の子どもをもつ親の気持ちを解説するとともに、親が取り組みたいストレス解消法、メンタルケア法を紹介しています。

以下の情報を参考にすれば、毎日の生活が少しだけ楽になるはずです。

子どもの不登校でお悩みの方は参考にしてください。

 

子どもが不登校の親の気持ち

不登校の子どもをもつ親は、次のような気持ちになることが多いでしょう。

 

親も子どもも気持ちが不安定になる

子どもが不登校になると、親の気持ちは不安定になりがちです。

「自分がしっかりして子どもをサポートしなければならない」という気持ちと不安や焦りなどの気持ちが混在するためです。

『私の接し方が悪かった』などと自分を責めてしまうこともあります。

これらの感情に振り回されて、親の気持ちが不安定になることが多いといえます。 同様に、子どもの気持ちも不安定になりやすいと考えられます。

子どもは、辛い環境から離れてほっととしている一方で、勉強の遅れを心配したり、学校に行けない自分を嫌だと感じたりすることがあります。

不登校中は、親子とも気持ちが不安定になりやすいといえるでしょう。

 

世間体が気になる

不登校を特別なこと、ダメなことなどと捉えていると、親戚の目や世間の評判が気になります。

周囲から孤立しているように感じるためです。

世間体が気になると、堂々と振る舞えなくなってしまいます。

学校へ行けない子どもを傷つけてしまう恐れがあるため注意が必要です。

不登校は特別なことでもダメなことでもないのです。

環境次第でどの子どもにも起こりうる出来事です。

子どもの充電期間と考えてみてはいかがでしょうか。

 

子どもに何ができるかを気にしすぎてしまう

子どものためにできることを考えすぎると、気持ちが追い詰められることがあります。

例えば、仕事や家事、育児と並行しながら、不登校に関する情報を集めると、体に負担がかかります。

ようやく見つけた解決策を実行しても、環境をすぐに変えられるとは限りません。

変化が生じるまで、時間がかかることもあります。

徒労に終わったと感じると、精神的に疲れるでしょう。

これらが積み重なることで、精神的な負担が増える場合もあります。

 

子どもが不登校になったときのストレス解消・メンタルケア法

不登校のサポートで親の気持ちに余裕がなくなると、子どもが家庭内で落ち着いて過ごせなくなってしまいます。

ここでは、生活に取り入れたいストレス解消法とメンタルケア法を紹介します。

 

しんどいときは気分転換する

子どもが不登校になると、頭の中が不登校に関連することで埋め尽くされることがあります。

このような状態が続くと、誰でも疲れてしまうでしょう。

しんどいときは気分転換を図るとよいかもしれません。

具体的には、読書や音楽鑑賞などの趣味の時間をつくったり、ジョギングや筋トレなどの運動習慣を身につけたりする方法があります。

あるいは、心を許せる人に話を聞いてもらってもよいでしょう。

不登校から一時的に離れることで、心身をリフレッシュできます。

 

しんどくならない考え方

自分を取り巻く環境は、考え方しだいで変えられます。

同じ出来事に遭遇しても、すべての方が不幸と感じるわけではありません。

困難に直面したときに、成長のチャンスと考える方もいます。

しんどくなりにくい考え方を身につけることも大切です。

例えば、1日の終わりに、その日に起きた嬉しいことを思い返してみてはいかがでしょうか。

食事が美味しかった、子どもが笑ったなど他愛もないことで構いません。

ポジティブに1日を振り返ると、どん底と思えるときでも、よいことを必ず見つけられます。

すこしだけ前向きになれるかもしれません。

 

不登校をダメなことと考えない

不登校をダメなことと捉えていると、目の前の現実を受け入れにくくなります。

精神的に辛くなったり、子どもの気持ちを認められなくなったりするため注意が必要です。

文部科学省によると、不登校の要因はさまざまです。

複数の要因で引き起こされていることもあります。

これらは、不登校が特別な出来事ではなく、環境次第で誰にでも起こりうることを示しています。

捉え方を変えることで、不登校との向き合い方が変わるでしょう。

 

子どもの気持ちの理解は出来ないと割り切る

サポートするため、子どもの気持ちを深く理解したいと考える方が多いでしょう。

素晴らしい取り組みですが、子どもの気持ちを完璧に理解することはできません。

親には親の考え、子どもには子どもの考えがあるためです。

この点を認識していないと「子どもの考えがわからない」などと悩んでしまうことがあります。

理解できないことがあるのは当然だと受け止め、子どもの存在を尊重する姿勢が大切です。

 

人生の大切な時間だと考える

人生に無駄な時間はありません。

不登校の期間も、子どもが自己肯定感を高めたり、親子の絆を深めたりするなど、さまざまな学びや気づきを得られる時間です。

子どもが学校へ行っていると、親子でじっくりと向き合う時間をつくることは難しいかもしれません。

不登校の期間を人生の大切な時間と考えて、前向きに行動してみてはいかがでしょうか。

 

自分の人生を大切にする

子どもをサポートするために、親の人生を犠牲にしないことも、不登校と上手に付き合うポイントです。

自分のせいで親が疲れていたり、イライラしていたりすると、子どもは責任を感じてしまいます。

子どもへのサポートは必要ですが、親の人生とのバランスも考えましょう。

親が生き生きと楽しそうに過ごしている姿を見ることで、子どもが前向きな気持ちを持つことがあります。

子どもが不登校になったからといって、親がやりたいこと全てを諦める必要はありません。

 

ポジティブに考える

物事をポジティブに考えると、ストレスを軽減できる可能性があります。

ここでいうポジティブとは、『前向きに受け止め、必要以上に深く考え込まない』ということを指します。

具体的には、終わったことを深追いせず、これからのことを考えると説明できます。

「あれが悪かった」「これが駄目だった」と悩み続けても、現状は変えられません。

改善点がわかったら、振り返らずに前へ進むことが大切です。

嫌なことがあっても、明るくさらりと受け流しましょう。

 

子どものこと(不登校)を考えすぎない

子どもが学校へ行けなくなってから、不登校のことばかりを考えていませんか。

人生が不登校一色になっている方もいるでしょう。

必ずしも、考えた分だけ状況が改善するとは限りません。

考えすぎることで、ストレスが溜まり、子どもとの関係が悪くなることもあります。

ときには、子どもや不登校と距離を置いてみるとよいかもしれません。

子どもがコミュニケーションを求めていないタイミングで、自分の時間をつくるとよいでしょう。

心に余裕が生まれて、現状に対処しやすくなることがあります。

 

不登校を子どもに持つ親に相談してみる

不登校の子どもをもつ親の気持ちは、実際に経験した方しか理解できない部分があります。

不登校の支援を行っている専門家であっても、完全に理解することは難しいでしょう。

したがって、同じ立場の方に相談すると、安心感を得られたり、気づきを得られたりすることがあります。

不登校の子どもをもつ親が身近にいない方は、各地域の親の会に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

 

一人で頑張らない

一人で全てを抱え込まないようにすることも重要です。

不登校の子どもは、さまざまなサポートを必要としています。

親だけで頑張っても、上手くいかないことが少なくありません。

相談機関を活用すると、適切なサポートを受けやすくなります。

 

相談機関を頼る

現在では、さまざまな相談機関が、不登校の子どもとその親をサポートしています。

一人で頑張っている方は、身近な機関に相談するとよいでしょう。

相談することで『ダメな人だと思われるのでは』と不安になったり、話すことを恥ずかしいと感じたりするかもしれません。しかし、このような心配は不要です。

相談機関の専門家は、不登校が誰にでも起こりうる出来事であることを理解しています。

また、勇気を振り絞って相談していることもわかっています。

安心して、話をしてみるとよいでしょう。

 

こころの相談窓口

参考に、不登校に関する主な相談窓口を紹介します。

相談機関 概要
児童相談所・児童相談センターなど 児童とその家族に関する幅広い相談に対応
教育センター 不登校、いじめ、発達障害などに関する相談に対応
ひきこもり地域支援センター 引きこもりに関する相談を受けて、関係機関と連携した支援を行う
発達障害支援センター 発達障害に関する相談を受けて、関係機関と連携した支援を行う
保健所、保健センター 不登校をはじめとする思春期の問題などに関する相談に対応
精神保健福祉センター こころの健康相談、思春期の相談などに対応
こころの相談統一ダイヤル 本人、家族から寄せられる心の問題についての相談に対応

 

フリースクールを利用してみる

不登校の子どもと親を支援する機関の一つに、フリースクールがあります。

フリースクールは、学校へ通えない子どもに対して、学習活動や体験活動、教育相談などを提供している民間の施設です。

ここでは、フリースクールの期待できるメリットを紹介します。

【フリースクールのメリット】

  • よく似た境遇の子どもと出会える
  • 学校以外の居場所ができる
  • 自分のペースで勉強できる
  • 要件を満たせば出席扱いになる

アソマナ学園は、フリースクールの一つとして自己効力感の向上を目指して、心理職が中心となり不登校の子どもをサポートしています。

子どもの今の気持ちを大切に考えて、一人ひとりに寄り添ったコーチングを心がけている点もポイントです。

フリースクールが気になる方は、アソマナ学園にご相談ください。

 

不登校の早期発見が大切

文部科学省が発表している資料によると、多くの場合、子どもが休みたいと感じ始めてから実際に休むまでに一定の期間があるとされています。

期間 小学生 中学生
1カ月未満 27.3% 31.8%
1カ月以上6カ月未満 19.8% 22.8%
6カ月以上1年未満 7.4% 4.9%
1年以上 13.0% 11.2%
わからない 29.9% 26.1%
無回答 2.5% 3.1%

出典:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」
https://www.mext.go.jp/content/20211006-mxt_jidou02-000018318-2.pdf

この間に、不登校の予兆を発見することが大切です。

 

予兆を見逃さない

同資料で、不登校であった子どもたちは、次の取り組みがあれば学校を休まなかったと回答しています。

期間 小学生 中学生
友達からの声かけ 15.1% 17.4%
学校の先生からの声かけ 11.4% 8.7%
家族からの声かけ 8.6% 6.7%
個別で勉強を教えてもらえること(学校以外も含む) 9.3% 9.1%

予兆を見逃さず、必要なサポートを行えば、不登校を未然に防げる可能性があります。

出典:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」
https://www.mext.go.jp/content/20211006-mxt_jidou02-000018318-2.pdf

 

子どもが家で見せる予兆

不登校になる前の子どもは、家庭で予兆を見せていることがあります。

ここでは、子どもが見せることの多い予兆について解説します。

【不登校の予兆】

  • 落ち込んだり悩んだりしている
  • 原因がわからない登校前の頭痛、発熱、腹痛など
  • 家族への反抗、暴力
  • インターネットやゲームなどをずっとしている
  • 生活リズムが大きく乱れる
  • 無気力、無関心になる
  • 家族との関わりを避ける
  • 他人との関わりを避ける
  • 学校の話を避ける
  • 登校前や日曜日の夜に泣く
  • 登校の準備に時間がかかる

これらの予兆に気づいたときは、子どもを否定せず話を聞いたり、学校を1日休ませたりするとよいかもしれません。

親が理解してくれる、家が避難所になるとわかると、学校へ安心して通えるようになる可能性があります。

 

不登校の子どもをサポートするときは親の気持ちも大切に

ここでは、不登校の子どもを支える親の気持ちについて解説しました。

子どもと同じく、親の気持ちも不安定になりがちです。

親が体調を崩すと子どもにも悪影響が及ぶため、ストレス解消やメンタルケアを意識することが重要です。

相談機関や専門機関を活用することも大切です。

必要に応じて、さまざまな支援を受けられます。

例えば、アソマナ学園では、不登校の子どもに対して学習支援を提供しています。

「自分ならできる」と思える状態を目指しているため、卒業生の約90%が自分の意思で学校へ戻ることを選択しています。

アソマナ学園に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。