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不登校の子どもの多くは、学校に居場所を感じられず、不登校後も適切な居場所を見つけられず困ることが多いとされています。

ここでは、不登校中に子どもが利用できる6つの居場所を紹介するとともに、居場所を選ぶときに意識したいポイントを解説しています。

以下の情報を参考にして、子どもが安心して過ごせる居場所を見つける手助けにしてください。

不登校中の居場所でお悩みの方は参考にしてください。

 

不登校中の居場所とは

不登校中の子どもが利用できる6つの居場所を紹介します。

 

フリースクール

文部科学省は、フリースクールを以下のように定義しています。

不登校の子どもに対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設

引用:文部科学省「フリースクール・不登校に対する取組」
https://www.mext.go.jp/march_lion/torikumi_futoukou.htm

主な魅力は、よく似た境遇の子どもたちが利用していることです。

そのため、不登校を気にせず活動できる環境が整っています。

また、自分のペースで学習などを進められる点や、一定の条件を満たせば学校の出席扱いになる場合がある点も魅力です。

ただし、フリースクールにより特徴は異なります。

施設の特徴を調べてから利用することが大切といえるでしょう。

 

教育支援センター

公的な施設を利用したい場合は、教育支援センター(適応指導教室)が居場所の候補にあがります。

教育支援センターは、不登校の子どもに集団生活への適応や基礎学力の補充を支援し、学校復帰や社会的自立を目指す公的施設です。

人間味のある温かい相談、指導を心がけている点と小中学校と連携している点が特徴といえるでしょう。

また、要件を満たせば出席扱いになります。

ただし、学校復帰を見据えているため、学校復帰を考えていない場合は、適したサポートを受けられないと感じる恐れがあります。

 

保健室・別室・図書室

学校へ行けるものの教室へ行けない場合は、保健室登校(別室登校)を選択できることがあります。

保健室登校とは、児童生徒が主に保健室で過ごす状態を指します(授業を保健室で受ける場合も含みます)。

日本学校保健会が発表している資料によると、小学校の44.8%、中学校の35.1%、高校の34.5%が保健室登校「有」と回答しています。

保健室登校を利用した1年間の平均人数は、保健室登校を実施している学校のみを対象としたものです。

学校種 人数(全体)
小学校 2.6人
中学校 3.8人
高校 3.4人

保健室登校していた児童生徒の40.3%(小中高校の平均)が、令和3年10月から令和4年9月末日までの間に教室復帰しています。

出典:公益財団法人日本学校保健会「保健室利用状況に関する調査報告書 令和4年度調査結果」
https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_R050070/index_h5.html#18

保健室登校は、学校へ行かないことで生じる罪悪感を軽減できると考えられています。

不登校の予防や学校復帰の第一歩になる可能性があります。

 

学習塾・家庭教師

学習塾や家庭教師も、子どもの居場所になりえます。

不登校の子どもは、学習の遅れを心配していることが少なくありません。

自分のペースで勉強を続けられる点は魅力です。

さらに、外出のきっかけになったり、新しい人間関係を築く場にもなったりします。

学習塾や家庭教師により、指導の方針や生徒の数は異なります。

子どもが利用しやすいところを選ぶことが大切です。

 

地域のコミュニティやお店

地域のコミュニティやお店も、子どもの居場所になることがあります。

具体的な居場所はケースで異なりますが、子どもを支援しているNPO法人やボランティア団体の施設、いきつけのカフェなどが考えられます。

主な魅力は、住み慣れた地域に居場所を作れることです。

子どもが気軽に息を抜ける場所として機能します。さらに、人間関係が既に形成されている施設では、新たなストレスを感じずに利用できる場合があります。

 

夜間中学

夕方以降を中心に、授業を行っている中学校です。

義務教育を十分に受けられなかった方が通う学校です。

この中には、不登校で中学校へ十分に通えないまま卒業した方も含まれています。

授業の日数は週5日で、教員免許を有する先生が指導しています。

授業料がかからないため、経済的負担が軽減される点も特徴です。

さまざまな背景をもつ方が通っているため、不登校を気にせず利用できる可能性があります。

入学の相談は、市区町村の教育委員会で行えます。

ただし、すべての地域に夜間中学があるわけではありません。

 

不登校中に本当に必要なポイント

続いて、子どもの居場所に求めたい条件を紹介します。

 

自分が受け入れられていると感じられるか

子どもが「受け入れられている」と感じられる居場所を選ぶことが大切です。

この感覚がない場合、子どもが安心して過ごすことは難しくなります。

ありのままの自分を理解してくれる人がいると、受け入れられていると感じやすくなります。

子どもが素直に自分を表現できるためです。

 

好きに行動ができる

子どもが自由に行動できることも、居場所に求めたい条件です。

例えば、誰にも邪魔されず好きなことに没頭できたり、自分の時間を確保できたりする環境が挙げられます。

子どもの前向きな気持ちを引き出せる可能性があります。

自宅以外の施設でこれらを完全に実現することは難しいですが、居場所を探すときに意識したいポイントといえるでしょう。

 

物事をゆっくり考えられる

子どものペースで物事を考えられる環境も欠かせません。

不登校の子どもは、これまでのことやこれからのことで悩んでいることが多いためです。

落ち着いて考えられる場所があると安心して過ごせます。

また、周囲から自分が尊重されていると感じることもできるでしょう。

不登校の子どもにとって大切な条件です。

 

精神的な苦痛がない

無理をせず過ごせることも、居場所に必要な条件です。

精神的な苦痛があると、居場所がストレスの原因になる可能性があります。

最終的には、居場所を失うことも考えられるでしょう。

子どもが自分らしさを表現できる居場所、子どもが満足できる居場所を選ぶとよいかもしれません。

 

他人に気を使わなくていい

他人との関わりもチェックしておきたいポイントです。

他人の顔色をうかがったり、周囲に過度に合わせなければならない居場所は、子どもにとって負担になる場合があります。

子どもが自分らしく振る舞えなかったり、疲れたりすることがあるためです。

他人との関わりが子どもにとって刺激となる場合もあれば、負担となる場合もあります。そのため、子どもの性格や状況に応じた配慮が重要です。

 

不登校の基本的な居場所は家

家は、子どもにとって基本的な居場所といえるでしょう。

ただし、すべての家が理想的な環境とはいえません。

不登校になったことを責められると、『自分は受け入れられていない』と子どもが感じることがあります。

これらの条件を参考に、子どもが安心して過ごせる環境を家庭内で整えてみてはいかがでしょうか。

 

不登校中の居場所を作りましょう

ここでは、不登校中の居場所について解説しました。

不登校になった子どもには、学校以外に安心して過ごせる居場所が求められます。

例えば、フリースクールや教育支援センターといった選択肢が考えられます。

子どもが、受け入れられている、自由に行動できると感じられる施設を選ぶとよいでしょう。

フリースクールをお探しの方は、アソマナ学園にご相談ください。

アソマナ学園は、卒業生の約90%が自らの意思で学校復帰を選択しているフリースクールです。

子どもたちが「自分ならできる」と感じられる状態を目指して学習支援などを行っています。

子どもたちの気持ちを尊重しながら、それぞれの状況や特性に応じたコーチングを行っている点が特徴です。