不登校などで授業に出れなかった中学生にとって、学習の遅れを取り戻すことは大きな課題です。
「どこから手をつければいいのか分からない」と、不安を抱える生徒や保護者の方も多いでしょう。
勉強の遅れは決して取り返せないものではありません。
適切な方法で学習に取り組めば、効率よく遅れを取り戻せます。
本記事では、不登校の中学生が抱える勉強の悩みと、遅れを取り戻すための効果的な学習法を紹介します。
ぜひ、お子さんの学習状況や性格に合った方法を見つけて、無理なく学習習慣を身につけるためのヒントにしてください。
不登校の中学生でも勉強の遅れは取り戻せる?
不登校が続いていても、自分に合った学習法を見つければ十分に勉強の遅れを取り戻すことは可能です。
たとえば、通信教材やオンライン学習を活用し、苦手な単元を重点的に復習することで、一歩ずつ理解を深められます。
また、フリースクールや家庭教師などのサポートを受けることで、生活リズムを整えながら安心して学習を進められる点も大きなメリットです。
大切なのは焦らず少しずつ積み重ねる姿勢と、子どものペースを見極めることです。
短期間で大きな成果を目指すのではなく、継続的に勉強習慣を身につけていけば、不登校であっても着実に学力は伸ばせます。
学校に通っていない期間があったとしても、その間に学んだ経験や試行錯誤が、将来につながる大きな糧となるでしょう。
不登校の中学生が抱える勉強の悩み
不登校の中学生は、勉強面でさまざまな不安を抱えやすいものです。
登校できない間に学習が進んでしまい、「自分だけ遅れてしまうのでは」と焦りが募るケースも珍しくありません。
ここでは、以下4つの悩みを紹介します。
- 遅れが取り返せないのではないか
- 学習習慣を身につけられるのだろうか
- 再び登校できるようになるか
- 進学や受験に影響が出るのではないか
それぞれ見ていきましょう。
遅れが取り返せないのではないか
不登校になると、授業の進度から取り残されてしまう不安が頭をよぎります。
周りの友達が当たり前にこなしている単元を知らないままでは、今後の授業にもついていけないのではないかと焦る子どもも多いです。
しかし実際は、通信教材やオンライン授業、個別指導などを利用して学び直すことで、予想よりも短期間に理解を深められる場合があります。
大切なのは「遅れてしまったからもう無理」と思い込まず、苦手分野を1つひとつクリアしていく計画を立てることです。
焦りを感じるほど勉強への意欲を失いやすいですが、「少しずつ進めてみよう」という姿勢が、遅れを取り戻す近道となるでしょう。
学習習慣を身につけられるのだろうか
不登校の間は生活リズムが乱れやすく、決まった時間に机に向かう習慣を維持することが難しくなります。
いきなり長時間の勉強を始めても、集中力が続かずに挫折するケースが少なくありません。
学習習慣を取り戻すためにはまず、無理のない時間設定と具体的な目標を決めることが大切です。
たとえば「毎日30分だけ英語を進める」といった短いものから始め、続けられそうなら徐々に時間を増やすなどの調整をすると効果的です。
また、スマホの利用時間をコントロールするなどの環境整備も欠かせません。
習慣を身につけるには時間がかかりますが、小さな積み重ねがやがて自信となり、学習への苦手意識を和らげる一助となるのです。
再び登校できるようになるか
「勉強の遅れを取り戻したとしても、また学校に通えるのか」という不安も大きいでしょう。
クラスメイトとの人間関係や先生とのやりとりなど、学習以外の問題が心のハードルになっているケースも多くあります。
しかし、フリースクールや家庭教師などの支援を利用しながら学力を補強することで、登校後スムーズに合流できる可能性が高まります。
さらに、家族やスクールカウンセラーと連携して気持ちの面をサポートすれば、学校に戻るときの不安を軽減することも可能です。
「勉強をやり直せた」という手応えは、再登校に向けた大きな自信につながります。
進学や受験に影響が出るのではないか
中学生の場合、進学や高校受験への影響を気にして、不登校が長引くほど「自分は取り返しのつかない状況に陥っているのでは」と思い込みがちです。
たしかに、学校での評定や内申書が重要視される面はありますが、通信制高校やサポート校、定時制高校など、多様な進路も存在します。
また、塾やオンライン学習で学び直し、高校受験にチャレンジして合格を勝ち取る例も珍しくありません。
大切なのは、進学先の選択肢を広く検討し、子どもが自分に合った形で学力を身につける方法を見つけることです。
受験勉強の計画を立てる際も苦手科目を洗い出し、重点的に補強するなど戦略的に取り組めば、時間はかかっても十分に巻き返すことは可能です。
関連記事:不登校の中学生の将来が不安!リスクや卒業後進路の統計、対処法を紹介
不登校の中学生が勉強の遅れを取り戻すためにすべきこと
不登校の中学生が勉強をやり直すには、無理をせず自分のペースや学習スタイルに合わせた工夫が重要です。ここでは、以下4つの具体的な取り組み方を確認しましょう。
- 学習に集中できる環境をつくる
- 小さな目標を達成する
- 集中できるような時間管理を行う
- 無理のないペースで勉強を続ける
詳しく解説します。
学習に集中できる環境をつくる
勉強の遅れを取り戻すには、まずは集中しやすい環境づくりが欠かせません。
部屋の整理整頓を行い、机の上に必要な教材だけを置くなど、視界に余分なものが入らない工夫をすると、気持ちの切り替えがスムーズになります。
また、スマホの通知をオフにし、一定時間だけ利用を控えるルールをつくると、余計な誘惑を減らせるでしょう。
人によってはリビングのほうが落ち着く場合もあるため、自分がもっとも取り組みやすい場所を探してみるのもおすすめです。
さらに、換気や照明などの基本的な快適性を整えておくと、心地よい学習環境が保ちやすくなります。
小さな目標を達成する
不登校中の勉強は、「いきなり大きな目標を立てる」のではなく、小さな達成感を重ねることがポイントです。
たとえば「1日30分だけ数学を解く」「今日は英単語を10個覚える」など、今の自分でも無理なく実行できるレベルのタスクを設定しましょう。
小さな成功体験が積み重なると、自信やモチベーションが自然と高まり、次のステップへ進む意欲も湧きやすくなります。
反対に、あまりにも高い目標を掲げてしまうと、達成できないことによる挫折感で勉強から遠ざかってしまうリスクがあります。
大切なのは、少しずつ自分が成長している実感を持つことです。
集中できるような時間管理を行う
効率よく勉強するためには、自分の集中力が続く時間帯を把握し、計画的に学習を組み立てることが大切です。
たとえば30分から45分ほど集中して勉強し、10分程度休憩する「ポモドーロ・テクニック」を取り入れるのも有効でしょう。
また、朝型と夜型ではコンディションが異なるので、自分が調子よく頭を使える時間帯に合わせて、主要な勉強を行うことを意識してみてください。
スマホのタイマーやスケジュールアプリを活用して、勉強と休憩のメリハリをつける方法もおすすめです。
ただし、あまりに厳密な管理にこだわりすぎるとストレスになるため、あくまで「集中しやすい流れ」をつくる感覚で取り組むとよいでしょう。
無理のないペースで勉強を続ける
遅れを取り戻そうと焦りすぎると、返って負担が大きくなり、勉強への意欲が下がってしまうことも。
そのため、学習計画は「少し余裕を持って続けられるか」を判断基準にするのが大切です。
学校の進度と比べて差がある場合でも、短期的に詰め込みすぎるより、コツコツと継続して理解を深めるほうが結果的に定着度が高まります。
また、学習に疲れを感じたときは思いきって休憩を挟む、趣味の時間を設けるなど、気持ちをリセットできる工夫をしましょう。
とくに不登校の状態から本格的に学習に取り組むときは、心と体のバランスが崩れやすいものです。
無理なく勉強を続けることで学習のペースが安定し、遅れを取り戻す力が養われていきます。
不登校の中学生に向いている勉強方法とは?
不登校の中学生でも、自分に合った学習スタイルを見つければ、無理なく勉強を続けられます。
以下4つについて、それぞれの状況に合わせた学習法をチェックしましょう。
- 1人で勉強したい場合
- 生活リズムが乱れている場合
- 勉強のやる気が出ない場合
- 勉強以外の気力も出ない場合
詳しく見ていきます。
1人で勉強したい場合
自分だけのペースで学習したい場合、オンライン教材や通信教育を活用するのがおすすめです。
とくに動画授業やアプリを使えば、分からない部分を何度でも再生し、理解が深まるまで繰り返し学習できます。
また、カフェや図書館など、家の外で静かに勉強できる場所を探すと気分を変えられるかもしれません。
周囲の視線を気にせず集中したいなら、ノイズキャンセリングイヤホンを活用するのも1つの手です。
自分に合ったツールや場所を見つけることで、ストレスを最小限に抑えながら学習効果を高められます。
1人で勉強を進める場合ほど、無理のない目標をこまめに設定し、達成感を得ながら続けることがポイントです。
生活リズムが乱れている場合
不登校が長引くと夜型になり、昼夜逆転の生活になってしまう子も少なくありません。
この場合、まずは小さなステップから生活習慣を整えることが大切です。
たとえば、夜更かしを少しずつ減らし、朝起きる時間を固定するなど、1日のリズムを段階的に改善しましょう。
起床後に軽いストレッチや日光浴を取り入れると、体内時計がリセットされやすくなります。
睡眠や食事などの基本的な生活面が整えば、勉強に集中できる時間も自然と増えるはずです。
慌てて理想的なリズムに変えようとせず、少しずつ改善を図ることで、ストレスなく学習を継続できる状態を目指しましょう。
勉強のやる気が出ない場合
やる気が湧かないときは、勉強への意欲を高める工夫が必要です。
勉強後のご褒美を用意するなど、「とりあえず始めてみよう」と思える動機づけをつくることが効果的です。
さらに、教科の中でも興味を持ちやすい単元や得意分野から手をつけると、学習のハードルが下がるでしょう。
少しでも理解しやすい問題を選ぶことで成功体験を積み重ね、自然とやる気が高まるきっかけをつくるのがポイントです。
また、勉強以外の活動ともバランスを取りながら進めることで、精神的な負担を軽減でき、長続きする学習習慣につながります。
勉強以外の気力も出ない場合
勉強だけでなく、日常のさまざまなことに対してやる気が起きない場合は、心身のリフレッシュが必要なサインかもしれません。
このようなときは、まずは小さなタスクから始めるとハードルが下がります。
たとえば部屋の片づけを5分だけ行う、好きな音楽を聴きながら軽い運動をするなど、体を動かして血流を促すことで気分が変わることがあります。
心の負担が大きいと感じる場合は専門家に相談し、信頼できる大人や友人と話をすることも大切です。
勉強に集中する以前に、自分を取り巻くメンタル面や生活習慣を整えることが、結果として学習のモチベーション向上にもつながるでしょう。
まとめ
不登校中でも、正しい学習法と適切なサポートがあれば、勉強の遅れは取り戻せます。
自宅やオンラインでの学習に限界を感じる方は、ぜひ「遊んで学ぼう」のコンセプトを大切にするフリースクール「アソマナ学園」をご検討ください。
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