さいたま市武蔵浦和に不登校生のためのアタプティブスクール誕生

次世代アタプティブスクール武蔵浦和に誕生

さいたま不登校学習支援センター(NPOアソマナ学園運営)は不登校生の支援体制を強化するためにさいたま市武蔵浦和に学習支援教室をオープンさせた。

さいたま市武蔵浦和駅に降り立つとすぐに17号がある。その駅からすぐの場所にさいたま不登校支援センターがあった。周りは進学塾などが目立ちビルの中にも児童教育の教室や学習塾なども入っている。センターのドアを開けるとそこには従来の塾とは異なる空間が目に飛び込んできた。ウエットスーツやダイビングの機材が展示してある。運営会社のアソマナ学園の母体はダイビングスクール。日本では少数の障がい者専門のダイビングスクールである。入り口をわけ右に入ると不登校支援センターの教室があった。この日は2名の生徒が講師と共にパソコンに向かい勉強をしていた。この日は平日の日中。二人は中学生と高校生の姉妹。姉のMさんは乖離性同一性障害だとの事。この日は勉強好きのMが人格として現れ勉強をしている。一方妹のTさんは物事へのこだわりが強くまた興味のあるものは非凡な才をもつ女子でもある。多様な人がここ「さいたま不登校学習支援センター」に集まってきているがどの様な方針で運営されているのかセンターの代表太田樹男さんに聞いてみた。

多様な生徒さんが集まる中で均一な教育をされているのでしょうか?

太田代表 実際の教育現場では、一人ひとりの個性を見極めかつ尊重しながら個性別に対応しています。具体的には、学習のサポート、メンタルなカウンセリングとケア及び運動プログラムに基いたトレーニングをそれぞれの専門が分担して支援にあたっています。勿論同時に、サービスの均一性は意識しています。

個別対応など他塾様も同様にされていますが何が違うのでしょうか?

太田代表 教育業界としても、集団指導形式から、近年は少人数指導や個別指導の形態が主流になっています。このような中で、集団指導の画一的な授業を少人数や個別に置き換えて指導するのではなく、個性別にそれぞれに合ったプログラムで複数の専門担当が多角的に指導にあたっているのが大きな特長です。

運動学習法はどの様な効果があるのでしょうか?

太田代表 ”健全な精神は健全な肉体に宿る”と言われるように、学習(頭脳を使うこと)と運動(身体を使うこと)のバランスが重要であると考えています。海外では、脳科学や心理学の論文が数多く発表され、それらによると勉強と運動を連動させることは、相乗的効果が大いに期待されるとあります。

不登校支援での具体的な取り組みは?

太田代表 大前提としては、お一人お一人の精神的な自立や社会的な自立を目標に取り組んでいます。まずは、現状をヒアリングしありのままを受け容れながら、段階的に進学や復学を目指します。同時に、保護者の方々におかれましても深く悩まれているケースが少くなく、ご相談にはできる限り密にかつ親身に対応させていただいております。

イジメ問題のセンターしても取り組みは?

太田代表 決して大きなことは言えませんし出来ませんが、現生徒の”イジメ”に関する打ち明けには、まずは一切否定することなく丁寧に話を聞き、その上で一緒になって生徒主体で解決策を模索しています。将来的には、当センターとして、行政機関や教育機関そして他の民間の機関とも連携して地域一体でイジメ問題にも向き合っていければと考えています。

最後に不登校に悩む方へのメッセージを

太田代表 保護者様もお子さま自身も何とかしたいと思い悩んだり、どうしたらよいのかと不安や焦りを募らせ苦しまれたりしていることと思います。それぞれのお子さまの持つ力と可能性を信じ、それぞれのこれからの人生が豊かなものとなるよう、私どもは皆さん自身にとって個性的な真の学校として存在しながら、伴走し続けたいと願っています。

全国で不登校は約 18万人と言われている。センターのあるさいたま県では5691人1000人あたりでは10.2人となる。それでも埼玉県は全国と比較して第二と不登校生徒が少ない地域とされている。少子化が加速する中、子供は少なくなっているが不登校は増えつづけているのは学校教育に限界がきているためだろう。文部省から教育改革で次世代の学びかたの提言がありここにきて学びの質も大きく変わりつつある。またICTが教育現場に急速に普及しているが使いこなせルマでは相当数の時間が必要だ。センターでは既にICT教材(すらら ネット)を利用し自宅でも質の高い学びの支援が受講できる様にサポートもしている。運動と学びを脳科学的にアプローチする取り組みも正に次世代の塾のあり方ではないだろうか。今後このセンターから社会に飛び立つ子供たちが大きく活躍できる現実は夢ではなさそうである。

記事 早乙女剛源