不登校の子どもがゲームやYouTubeに依存した時の適切な対処法

依存症の定義

不登校の間、ゲームやYouTubeに熱中しすぎてしまう子どもは少なくありません。

学校へ行かなくなった子どもがゲーム漬けの日々を送るのはよくあること、時間が解決してくれるから問題ないという言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、そんな保証はありません。親が適切な対策を講じなければ、不登校も依存も解消できないかもしれないのです。

最近ではゲームだけではなく、不登校になった子どもが1日中YouTubeを見て過ごしているという声も聞きます。ゲームでもYouTubeでも、生活に支障をきたす程にのめり込んでいる場合は依存症と判断され、適切な処置を講じる必要性が増していきます。

この記事では、不登校の子どもがゲームやYouTubeに依存した時の適切な対処法を紹介します。依存症を解消して子どもを学校へ復帰させたいと考えている方、自宅で勉強を進めたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも依存症とはどのようなものなのか、まずはそこから詳しく解説していきましょう。

WHOが定めた定義によると、ゲーム依存症は人間関係や健康面に問題が生じても制御がきかずに日常生活に支障をきたす状態のことを指します。これはYouTube依存にも当てはまるもので、つまり、日常生活に支障をきたしているにも関わらず「やめられないモノがある」という状態が依存症です。

  • 学校へ行かなければいけないのにゲームを辞められない
  • いつも頭の中でゲームのことを考えている
  • 眠くて体が怠いのにゲームを辞めることができない

WHOによると、時間や頻度をコントロールできない状態が1年以上継続している場合に依存症と診断されるとしていますが、この期間はあくまでも目安です。

不登校で学校へ行っていない子どもが毎日十数時間ゲームをしている、常にYouTubeばかり見ているという状態は、学校へ行くという日常生活に明らかに支障をきたしている状態なので、依存症予備軍と判断しても問題ありません。

依存症は精神疾患に位置付けられている病気ですが、1年未満であれば病気とは認定されません。しかし、明らかに日常生活に支障をきたす範囲で子どもがゲームやYouTubeに没頭している場合は、早めに適切な対処法を講じなければいけないということを覚えておきましょう。

不登校中にゲームやYouTubeに依存してしまう理由

子どもの気持ちを理解して寄り添うことで、不登校や依存症の解決への糸口が見つけられます。ここからは、不登校中に子どもがゲームやYouTubeに依存してしまう理由を解説します。

現実逃避

不登校の子どもはゲームやYouTubeに依存することで、辛い現実を見ないようにしています。

ゲームやYouTubeに没頭している時間は現実を忘れることができるため、現実逃避の手段として都合がいいのです。そのため、今この時間だけは現実を忘れたいという思いから依存してしまいます。

不登校の子どもは、さまざまなストレスを抱えています。そして、親御さんはそれを忘れてはいけません。

  • 失望感
  • 絶望感
  • 無力感
  • 罪悪感
  • 焦燥感

学校へ行けなくなってしまったという現実に対する絶望感、不登校が自分の家族や友達へも悪影響を与えているという罪悪感、学校へ行かなくてはいけないとわかっているものの一歩を踏み出すことができないという焦燥感など、不登校中の子どもはさまざまなストレスを抱えます。

それらのストレスを一時的でも忘れられる現実逃避の手段として、身近にあるゲームやYouTubeに依存してしまうというわけです。

人との繋がりを持てる

ゲームやYouTubeに没頭することで、不登校でも人との繋がりを持つことができます。

最近のゲームはオンラインによる協力プレイが実装されているのが一般的ですし、ゲームの攻略法などを語り合うゲーム友達もTwitterなどで簡単に作れます。そのため、不登校中は満たされないはずの外の人間との繋がりも、ゲームに没頭することで満たされてしまうのです。

学校へ行かなくてもインターネットのなかには友達がいる、いつでも話せてゲームができる友達がいるという環境は、学校へ行き社会生活を送る理由をなくしてしまうもの。

ゲーム内で作ったコミュニティが自分自身の生活におけるすべてだと思ってしまうと、ますますゲームへの依存が強くなってしまいます

子どもゲームやYouTubeに依存した時の適切な対処法

ここからは、不登校で学校へ行かなくなった子どもがゲームやYouTubeに依存した時の正しい対処法を紹介していきます。

我慢を強要してはいけない

シロクマ効果と呼ばれる心理現象を知っていますか?

シロクマ効果とは、「シロクマについて考えてはいけない!」と強要されると、逆にシロクマのことが頭から離れなくなってしまうという心理現象のことです。つまり、人間は依存しているものを我慢しなさいと強要されれば、逆にそれが気になって頭から離れなくなってしまうのです

  • 物理的にゲームをできない環境に置く
  • 厳しい監視下に置いてゲームを1日数時間しかできないようにする
  • スマホを取り上げてYouTubeを見れないようにする

このように、半ば強制的にゲームやYouTubeから距離を置くようにしても、依存してしまっている頭はそればかり考えてしまいますので逆効果です。

我慢の強要を避けながら、以下で紹介する対処法を実践してみましょう。

意識を逸らす努力をする

ひとつのことに依存している状態を改善するために、ゲームやYouTubeから意識を逸らす努力をしてみましょう。つまり、他にハマれるものを作る努力をするということです。

これは、心理学のカウンセリングによる依存治療でも行われている手法です。ゲームやYouTube以外の楽しみを見つけて少しずつ意識を分散させることで、ひとつのことに依存する状態を抜け出すことができるようになります

  • アウトドアレジャーに挑戦してみる
  • 料理をしてみる
  • 動物を飼ってみる
  • 自宅学習を行ってみる

正解が何かはわかりません。しかし、不登校中の子どもでも自宅で簡単にできるものから挑戦させてみることをおすすめします。

たとえば、動物が好きな子どもであれば犬や猫を飼ってみる、外に出てキャンプをしてみる、自宅学習を導入してみるなど、何かのキッカケで依存対象のみに向いていた興味が分散されるかもしれません。

子どもとよく話し合い、何事にも根気よく挑戦してみましょう。

犠牲にしているものを話し合う

子どもが今、ゲームやYouTubeに夢中になっている時間で何を犠牲にしているのかを書き出してみることをおすすめします。この作業は親子で行い、そこから話し合いの場を設けましょう。

上記でも説明した通り、ゲームやYouTubeに依存しているからといって無理に引き離してはいけません。なぜなら、それは依存を解決しているわけではないからです。自分の力で依存を解決するためには、自分で気付き行動へ移す必要があります。

そのためには、ゲームやYouTubeをしている時間で何を切り詰めていて、何を犠牲にしているかを書き出してみることで『何を失っているか』を自覚させてみましょう

不登校の子どもであれば勉強の時間、友達と遊ぶ時間は間違いなく犠牲にしています。その解消方法を親子で話し合う、それが解決の方法を見つける糸口へと繋がっていきます。

まとめ

不登校になった子どもがゲームやYouTubeに依存する理由と、それを解決するための対処方法を紹介してきましたが参考になりましたか?

学校へ行かなくなってからいつもゲームをしている…親御さんにとっては間違いなく不安で心配な時間でしょう。しかし、焦りは禁物です。相手はまだ子どもです。何度だって何回だって挫折してもやり直せるチャンスはあります。大切なのは子どもの気持ちに親が寄り添い、選択肢を提示してあげることです。

小学生から高校生までの学習支援を行うアソマナ学園では、オンラインとスクーリングの両方で休学中のさまざまな悩みを解決します。最新の脳科学に基づくICT教材を採用している無学年方式なので、ゲームやYouTube依存でまったく勉強をしていないという子どもでも学力に応じて適切な学習を行えます。

また、アソマナ学園では不登校児の学びの支援を専門にしているため、不登校中でも学校は出席扱いになります。子どもの未来を考え、学校へ行かずに勉強するという選択肢も提示してあげたいと考えている方は、アソマナ学園へ気軽にご相談ください。