不登校のお子さんが再び学校に通えるようになるきっかけは、1人ひとり異なります。
「うちの子はもう二度と学校に行けないのでは」と、不安に思われる保護者の方も多いでしょう。
しかし、多くの不登校経験者が再び学校生活に戻っていった事例もあります。
大切なのは、お子さんのペースを尊重しながら、適切なサポートを続けることです。
本記事では、実際に不登校から学校に行けるようになったきっかけと、親としてできる具体的なサポート方法をご紹介します。
ぜひ、お子さんに合った復帰のきっかけを見つけるヒントにしてください。
不登校から学校に行けるようになったきっかけとは?
不登校から学校へ行けるようになるきっかけは、1人ひとり異なるものです。何気ない日常の変化や周囲のサポートが心を動かす場合もあります。
ここでは、以下の具体的な事例を見ていきましょう。
- 友達との交流があった
- 家族以外に信頼できる人ができた
- 学校以外の場で友達ができた
- 憧れの人が活躍する姿から元気をもらった
- 不登校経験者と出会った
- 適応指導教室でよい先生と出会った
- 病院での治療やカウンセリングを受けた
- 短期留学を経験した
- 成功体験を積んで自信がついた
- 進学した
それぞれ解説します。
友達との交流があった
友達との何気ない会話や遊びの約束が、学校へ行くきっかけになることは多々あります。親や先生には話せない悩みも、仲のいい友達には素直に打ち明けやすく、精神的な支えを得られるでしょう。
休んでいる期間中に訪ねてくれたり、メッセージで励ましてくれたりする存在がいると、「自分は必要とされている」という安心感が生まれます。
その結果、孤立感が薄れ、もう一度学校へ足を運ぼうという気持ちが高まるのです。
また、共通の趣味や目標がある友達と行動を共にすることで、学校で過ごす時間が楽しみに変わるケースも少なくありません。
家族以外に信頼できる人ができた
不登校の子どもは、家族に相談しづらい思いを抱えている場合も多く、第三者の存在が大きな支えになることがあります。
地域のボランティアスタッフや習い事の先生など、学外で出会った大人が温かく見守ることで、学校へ戻る勇気が生まれるケースも珍しくありません。
親とは違う角度からアドバイスをもらうと視野が広がり、「学校に行ってみよう」という気持ちが湧き上がることも。
また、家庭内では伝えられなかった心の内を打ち明けることで、自分自身を客観的に捉えられる点もメリットです。
家庭以外でも自分を受け入れてくれる人がいると知るだけで、孤立感を和らげる有力なきっかけとなるでしょう。
学校以外の場で友達ができた
学校以外で知り合った友達が、登校への意欲を高める大きなきっかけになることがあります。
たとえば地域の習い事やフリースクール、オンラインのコミュニティなど、異なる環境で生まれた人間関係は新鮮な刺激となるでしょう。
同じ趣味を持つ仲間と出会えば、「自分はここにいていいんだ」と思える居場所が生まれやすくなります。
そうしたつながりを通じて楽しみを共有するうちに、自然と学校に戻ることに抵抗を感じにくくなるケースも少なくありません。
親として子どもが興味を示す活動の場を一緒に探し、安心して参加できるようにサポートしてあげることが大切です。
関連記事:不登校の子どもがゲームやYouTubeに依存した時の適切な対処法
憧れの人が活躍する姿から元気をもらった
スポーツ選手や身近な先輩など、憧れる存在が努力している姿は、「自分も頑張ってみよう」という気持ちが湧き上がることがあります。
目標とする人が一歩踏み出す様子や、困難を乗り越える姿を見ることは、大きなエネルギー源です。
また、同年代や少し年上の人物であればより親近感が湧き、現実的な模範として感じられます。
憧れの人の姿勢を見習ううちに、「自分も変わりたい」という前向きな気持ちが育ち、登校へのハードルが下がっていく場合も多いでしょう。
不登校経験者と出会った
同じように不登校の時期を経験した先輩や友人の言葉には、大きな説得力があります。
自分と似た境遇だった人がどのように悩み、乗り越えてきたかを知ることで、「自分だけが特別につらいわけではない」と安心を得る子どもも多いです。
再び学校へ行くようになった経緯を具体的に聞くことで、漠然とした不安が少しずつ解消されることも。
こうした出会いは、フリースクールや地域の支援団体、オンラインコミュニティなどで生まれる可能性があります。
親として子どもが共感を得やすい場を提供し、交流できる機会をサポートしてあげることが大切です。
適応指導教室でよい先生と出会った
不登校対応のために設けられた適応指導教室や特別支援プログラムは、学校とはまた違った雰囲気で学ぶ場所です。
人数が少ない分、1人ひとりに合わせた指導が受けられ、安心して過ごせるというメリットがあります。
そこで出会う先生が子どもの個性を理解し、無理のないペースでサポートをしてくれる存在であれば、心の負担が大幅に軽減されます。
子どもが自分に合った先生や学び方に出会えたとき、不登校を克服するきっかけが生まれる可能性は十分にあるでしょう。
関連記事:適応指導教室とフリースクールの違いをわかりやすく解説
病院での治療やカウンセリングを受けた
不登校の背景には、心の不調やストレスが大きく関わっていることがあります。
こうした場合、専門医による治療やカウンセリングを受けることで、安心感と具体的な解決策を得られる場合が少なくありません。
また、カウンセリングでは自分の気持ちを言葉にする訓練を重ね、思考の整理や自己理解を深めることで、徐々に学校へ足を運ぶ意欲が芽生えるケースも。
親も一緒にカウンセリングを受けると、子どもへの接し方や声かけのポイントを学べるため、家庭内のサポート体制を整えやすくなるでしょう。
短期留学を経験した
不登校中の子どもにとって、短期留学のように期間が限られたプログラムは、チャレンジしやすい選択肢となり得ます。
海外での生活や異なる文化との触れ合いは、日常とは異なる刺激に満ちているため、自己肯定感を高めるきっかけにもなります。
現地でできた友達との交流やコミュニケーションの楽しさは、帰国後の学校生活に対する見方を変えてくれることもあるでしょう。
さらに、語学力が向上すると同時に、自立心や柔軟性が育まれるため、再び学校に通う際の不安が軽減されやすいというメリットもあります。
成功体験を積んで自信がついた
人は小さな成功体験を積み重ねることで、自分を肯定しやすくなります。
不登校の子どもの場合、勉強や部活動といった「学校内での成果」だけにとらわれず、趣味や得意分野での達成感を味わうことが重要です。
また、親は子どもの挑戦を温かく見守りながら、うまくいった部分を具体的に褒めてあげましょう。
そうすることで、子どもが自己評価を高め、学校に対する意欲もゆるやかに回復していく可能性があります。
進学した
進学という新たなステージへ向かうタイミングが、不登校を乗り越えるきっかけになる場合もあります。
高校や大学、専門学校などは、中学や高校と比べて環境や人間関係が一新されることが多いです。
そのため、「今度こそ新しい自分をスタートさせたい」と思える子どもも少なくありません。
とくに、希望する進路や将来の夢が明確になっている場合は、勉強に前向きに取り組むモチベーションにもつながります。
また、進学先が通信制やサポート校であれば、より柔軟な学習スタイルを選択できるため、自分のペースを大切にしながら学びを続けられるでしょう。
不登校から学校に行けるようになるために親がサポートできること
不登校から再び学校へ通うには、親のサポートが大きな役割を果たします。
無理やり登校させるのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら必要な環境を整えることが大切です。
ここでは、以下の5つを紹介します。
- 安心できる家庭環境を整える
- 勉強をサポートする
- 無理に学校に行く必要はないと伝える
- 学校以外の居場所を作ってあげる
- 学校と連携をとる
詳しく見ていきましょう。
安心できる家庭環境を整える
子どもが自分の部屋やリビングなど、家のどこにいても安心して過ごせる雰囲気を作ることが大切です。
具体的には、子どもが朝起きる時間帯や夜の就寝時間を急かしすぎず、まずは生活リズムを整えるサポートを心がけましょう。
また、否定的な言葉よりも受容的な声かけを意識し、子どもの意見や気持ちを尊重する姿勢を示すと、安心感が高まりやすくなります。
さらに、食卓を囲む時間や休日の過ごし方を工夫することで、親子間のコミュニケーションを深められます。
子どもが「話してみようかな」と思えるような空気を作ることが、不登校を解消していく最初の一歩につながるでしょう。
勉強をサポートする
不登校中でも、学習習慣を完全に断ち切らずに維持できるようサポートすることが大切です。
ただし、無理に難しい教材を与えるのではなく、子どものレベルや興味に合わせた学び方を提案しましょう。
たとえば、通信教育やオンライン教材など、個人のペースで進められる学習方法を取り入れるのも一案です。
勉強だけでなく、子どもが得意とする分野や好きな活動を一緒に探してあげると、自信を深めるきっかけにもなります。
さらに、学習の成果よりも「少しでも進められたこと」に着目してほめると、子どものモチベーションが持続しやすくなるでしょう。
無理に学校に行く必要はないと伝える
不登校状態が続く子どもに、ただ「学校へ行きなさい」と声をかけ続けることは逆効果です。
むしろ「今は無理に学校へ行かなくてもいい」というメッセージを伝え、安心できる選択肢があることを示すほうが大きな救いとなります。
親の理解と受容が伝われば、子どもは自分の気持ちを否定されずに済むため、少しずつ心を開いてくれる可能性が高まるでしょう。
もちろん、まったく登校を促さないのではなく、状況やタイミングを見極めて声をかけることが大切です。余裕が生まれたとき、子ども自身が「行ってみようかな」という前向きな意欲を抱けるかもしれません。
学校以外の居場所を作ってあげる
学校に行けない間も、子どもの成長を止めないためには「学校以外の居場所」を探すことが有効です。
たとえば地域のフリースクールや習い事、オンラインコミュニティなど、学ぶ機会や人との交流を得られる場は多く存在します。
子どもが自分の興味関心を持てる分野に触れることによって、「自分にもできることがある」という自己肯定感を少しずつ取り戻せるでしょう。
また、家族以外の大人や仲間との対話が増えると、悩みを共有しやすくなる利点も。
学校での学びにこだわらず、さまざまな選択肢を与えることが、不登校の状態から少しでも前へ進むための大きなきっかけとなります。
学校と連携をとる
子どもが不登校になったとき、親だけで問題を抱えこまず、学校と適切に連携を図ることが欠かせません。
担任の先生やスクールカウンセラーなどと情報を共有し、子どもの様子や状況に合ったサポートを考えていくとよいでしょう。
たとえば、登校日数を徐々に増やす方法や別室登校、オンライン授業の活用など、柔軟な対応が可能なケースもあります。
学校側が現状を理解してくれていると、子どもも「無理をしなくてもいいんだ」と感じやすくなるものです。
親として定期的な連絡や面談を通じて、子どもの気持ちを代弁しながら学校と話し合いを続けることが大切です。
まとめ
不登校からの復帰には、1人ひとりの状況に合ったサポートが大切です。
小さな成功体験や信頼できる大人との出会いが、大きな変化をもたらすこともあります。
もし、学校以外での安心できる居場所をお探しなら、東京都フリースクール等利用者支援事業(助成金)対象の認定フリースクール「アソマナ学園」がおすすめです。
「ICT教材すらら」やプログラミング学習、自然体験を組み合わせた多彩なプログラムで、お子さまの成長をきめ細かくサポートします。
1人で悩まずに、まずはお気軽にご相談ください。
きっと新たな道が見えてくるはずです。