学校に代わる学びの場として注目されているフリースクール。
2022年10月27日に文部科学省のHPにて「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」が公表され、 小中学生の不登校児童生徒数は前年度から4万8813人(24.9%)増の24万4940人で過去最多となりました。中学生になると小学生よりも学校での友人関係が濃くなり、勉強も難しくなります。さらに思春期や反抗期が重なる年齢ということもあり、不登校になる子どもの人数が増加します。
友人関係のトラブルや学習面の不安など、不登校や引きこもりになる原因はそれぞれです。何らかの事情があり学校に通えない子どもでも社会との接点を持てる場所として、昨今フリースクールの存在は高い注目を集めています。
この記事では、不登校の中学生がフリースクールに通学するメリットとデメリットをわかりやすく紹介していきます。中学生の子どもが不登校になって悩んでいる方、フリースクールがどんな場所なのか知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもフリースクールとは
フリースクールとは、何らかの理由で学校へ行けなくなってしまった子どもの居場所を作る民間の教育機関です。
民間企業が運営する機関なので、スクールによって方針・教育理念・費用などは異なります。しかし、子どもの主体性を尊重しているという点では共通しており、入学資格や学校のように決められたカリキュラムもありませんので、個人のペースに合わせて適切な教育を行います。
無理に学校への復帰を目指すのではなく、社会的な自立を目指しながら自分に合った場所で成長していくというのが今の時代の考え方です。そのため、フリースクールでも学校への復帰を無理して促すようなことは決してしません。
また、フリースクールは子どもに合わせてさまざまな形態が用意されています。
- 復学を前提とせずに元気を取り戻すためのスクール
- 復学を前提に学習サポートが充実しているスクール
- 医療機関と連携して社会生活を送れるようにするスクール
- 自然の中で同じ環境の子ども達と共同生活を送るスクール
授業もオンラインやスクーリングを選択できたり、体を動かしながら遊べる時間を共有できたりするなど、普通の学校と同じような環境を作っているスクールも多くあります。
フリースクールにはさまざまな形態が用意されていますので、子どもと相談しながら選択していきましょう。
フリースクールに通学するメリット
ここからは、不登校の中学生がフリースクールに通学するメリットを紹介していきます。
社会性が育つ
思春期と反抗期が重なる中学生は、最も社会性が育つ年齢でもあります。
中学校は勉強をする場所というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、それだけではありません。中学校で同級生や下級生、上級生や先生と触れ合う時間はこれから社会へ飛び立つために社会性を育てる時間であり、これは勉強以上に重要なものです。
不登校により中学校へ通えなくなると、この社会性を育てる時間が失われてしまいます。しかしフリースクールであれば、さまざまな年代の人と関わりを持てる場を作れるため、交流やコミュニケーションを通して社会性を育てることができます。
上下関係やコミュニケーションを取る方法を勉強しておかなければ、社会へ出た後の人間関係にストレスを感じやすくなってしまいます。そのような事態を防ぐためにも、勉強だけではなく人間としての力を身に付けるための時間が必要なのです。
プロが学習をサポートしてくれる
フリースクールに通学すれば、学校へ通わなくてもプロのサポートで学習できます。
学校の授業は学年が進むごとに難しくなります。中学生の授業は小学生の頃とは比較にならない程に難しく、とくに上の学年であればプロのサポートがなければ学習は捗りません。
フリースクールでは勉強を教えるプロのサポートが受けられるだけではなく、個別カリキュラムの作成によりその子に最も適したペースで学習を進めてもらえます。
個別指導、少人数指導、オンラインなども選べますので、通常の学校のように何十人も一斉に指導するよりも濃密な学習時間を過ごせるでしょう。
高校から新しいスタートが切れる
フリースクールは地域の小中学校と連携している場合が多いので、不登校で欠席している間も出席扱いとされるケースがあります。
通えなくなってしまった学校とフリースクールが連携をとり、計画的な学習指導を行ってくれるところもあります。その場合、たとえ不登校により学校で勉強をしていなくてもその範囲の勉強はしているということになりますので、出席日数はカウントされていきます。
フリースクールに通いながら勉強を進め、出席日数も問題ない状態であれば、試験に合格すれば何の問題もなく高校へ通うことができます。
不登校になった子どもは、多かれ少なかれさまざまなストレスを抱えています。フリースクールで勉強していれば出席日数も問題なく高校から新しいスタートが切れるという希望は、子どものやる気を上げる大きな要因としてプラスに働くでしょう。
フリースクールに通学するデメリット
メリットだけではなく、フリースクールに通学するデメリットも押さえておきましょう。
費用がかかる
フリースクールは義務教育ではなく民間企業が運営している機関なので、必ず費用がかかります。
国から認可されている公立の小中学校の教育費はほぼ無償ですが、フリースクールは平均相場で月々3~5万円の費用がかかるため、年間36~60万円の費用がかかる計算です。
私立の小中学校ではこれ以上に費用がかかるところもありますが、少なからず経済的な負担になることはデメリットであると言わざるを得ません。
また、自宅の近くにたまたまフリースクールがあるというケースも少ないため、交通費もかかるケースが多いです。費用面を考慮したうえで、フリースクールの利用は検討する必要があります。
学習の進みが遅い
フリースクールは不登校の子どもの居場所を作ることを第一にしているため、学校で朝から夕方までしっかりと行う座学もカリキュラムのひとつに過ぎません。そのため、社会性を育てることに重点を置いているフリースクールであれば、学習の進み具合は普通の学校よりも遥かに遅いです。
しかし、この点に関してはフリースクールと相談することで解決できます。また、どうしても不安という場合であれば、フリースクールの他に自宅学習や塾などを並行することで、学習に関する悩みは解決できるでしょう。
機関により異なりますが、フリースクールでは座学の時間が少ない代わりにスポーツや図画工作の時間が多かったりします。学習の時間は少なくとも、不登校の子どもが心から楽しめる教育はしっかりと行ってくれています。
まとめ
不登校の中学生がフリースクールに通うメリットとデメリットを紹介してきましたが、参考になりましたか?
中学生の子どもがいきなり学校へ行かなくなってしまった…親御さんにとっては大変ショックで辛い出来事でしょう。しかし、深く考えすぎる必要はありません。なぜなら、不登校はどんな子どもでも起こり得るものだからです。
中学生は大人の階段を昇る途中の最も多感な時期です。小学生よりも複雑になる友人関係や勉強についていけなくなり、パンクしてしまうのは仕方ありません。そんな時、無理して学校へ復帰してくれと迫るのではなく、フリースクールという新しい道があることも選択肢の候補として提案してあげてください。
フリースクールに興味がある方は、オンラインとスクーリングの両方で休学中のさまざまな悩みを解決し、小学生から高校生までの学習支援を行うアソマナ学園へご相談ください。
アソマナ学園では最新の脳科学に基づくICT教材を採用している無学年方式なので、学力に応じた学習ができます。また、学校との連携で毎月「学習報告書」と「学習計画書」を作成して提出しているため、不登校でも出席日数扱いにできます。
専門のカウンセラーが寄り添い、メールやオンラインで気軽に相談できる環境も整っています。フリースクールに興味がある方は、アソマナ学園へ気軽にお問い合わせくださいませ。