周囲の人間や環境と上手に馴染むことができない発達障害の子ども。
自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如(ADHD)、学習障害(LD)の3つに分けられる発達障害ですが、原因については依然として未解明です。しかし、親の育て方や本人の性格とは無関係であることは明らかになっているため、親御さんは自分を責める必要はありません。
この記事では、小学生で発達障害を持っている子どもの特徴と、学校生活で起こしてしまうトラブルを紹介していきます。うちの子はもしかしたら発達障害かもしれない…このように感じている方は、この記事を参考に我が子と照らし合わせてみてください。
発達障害の小学生が起こしやすいトラブル
保育園や幼稚園とは異なり、小学生になるといきなり集団で活動する機会が増えます。そうなると、今まではあまり目立たなかった子どもの個性が急に表面に出るようになります。
以下の項目では、発達障害を持つ小学生が起こしやすいトラブルを紹介していきます。
忘れ物が多い
小学生になると提出しなければいけないプリントなどが増えます。
たとえば宿題のプリントや授業で使う教科書やノート、他にも授業参観を知らせるプリントなども子どもから親へ渡さなければ伝わりません。発達障害のひとつである注意欠如(ADHD)は、繰り返し注意しても忘れ物を続けてしまいます。
自分が興味のあるものに対しては強い関心を示すものの、他のことには関心を示さないため、先生からの一斉の指示が伝わりにくいのです。そのため、重要事項を忘れてしまいます。
片づけが苦手、または忘れ物が多い子どもには、とにかくゴチャゴチャにしないようにすることが重要。プリントはファイルに入れる、教科書は本棚にしまうなど、ひとつずつ覚えるまで根気強く説明していくことが大切です。
授業中に座っていられない
とくに発達障害を持つ小学生低学年に見られる行動として、授業中にジッと座り続けることができないというものがあります。
注意欠如(ADHD)の特徴のひとつで、多動性や衝動性が強い子に見られます。とにかくエネルギーが多く活発的な猪突猛進タイプなので、元気がよくて積極性に溢れています。その結果、授業中にジッと先生の話を聞くという行動や順番待ちができません。
小学生は子どもが初めて本格的に集団生活を送る場でもあるため、順番を待たなければいけない場所や静かにしていなければいけない時が多くあります。授業中に歩き回るなどの行動は、集団生活では馴染めない要因になってしまいます。
板書に時間がかかる
発達障害のひとつである学習障害(LD)を抱えている子どもは、板書に時間がかかるなどで勉強についていけなくなる時があります。
真面目に授業を聞いているにも関わらず勉強についていけないという状態になると、子どもは学習に対する意欲を失っていきます。その結果、学校へ行っても楽しくないと感じてしまい、不登校になってしまうのです。
他にも、学習障害を持つ子どもは以下のトラブルが想定されます。
- ひらがな、漢字、カタカナが読めない
- 行を飛ばして読んでしまう
- うまく文章を書くことができない
- 行やマス目に沿って文字を書けない
- 時計が読めない
小学校は集団行動なので、ひとりの生徒のために板書を待つことはありません。学習障害を持っていると周りの子どもと同じペースでは勉強が進められないため、学校を楽しい場と認識するのは難しいでしょう。
喧嘩に発展しやすい
自分の気持ちや感情を上手にコントロールできない発達障害の子どもは、同学年の子とうまく遊ぶことができずにトラブルへ発展するケースがあります。
嫌なことがあるとすぐに癇癪を起こして暴れてしまう、または衝動的な行動で手を出してしまう場合もあるため、それが原因で同学年の子との良質な関係を構築できません。または、そのような行動が「空気が読めない」とされてしまい、浮いた存在になってしまうケースもあります。
発達障害を持つ子どもは自分が決めたルールを好み、それを遂行する傾向にあります。人に言われたことを場面に応じて対応するのが苦手なので、強要された時に自分のキャパシティを超えてしまい癇癪を起こしてしまうのです。
学校へ仲のいい友達がいなければ、子どもは通いたいとは思いませんよね。人の気持ちや感情を汲み取るのが苦手な子どもの場合は、喧嘩へ発展するなどのトラブルが想定されます。
我慢して周りに合わせられない
小学校の集団生活では、自分が嫌いなことでも我慢して周りに合わせなければいけない場面は必ず訪れます。たとえば、体育の授業でドッチボールをするとなれば、自分が大嫌いな競技であっても我慢して行わなければいけません。
しかし、発達障害を持つ子どもは自分のこだわりに対する意識が強すぎるがゆえ、我慢して周りに合わせる行動が苦手。また、感覚が過敏であることも多いため、周囲の同級生に合わせて同じ目的や行動を取れない場合があります。
上記項目でも軽く触れましたが、このように自分の意志を強く貫きすぎてしまう行動は同級生から「空気が読めない」とされてしまい、浮いた存在になってしまいます。ここからトラブルへと発展するケースも決して少なくありません。
発達障害の子どもがトラブルを起こした後の対応
発達障害を持つ子どもが小学校でトラブルを起こした後、頭ごなしに𠮟りつけても何も解決できません。重要なのは犯してしまった過ちを叱るのではなく、今度の対処法を考えることです。
心に寄り添ったアドバイスを送る
たとえば、子どもが友達に手を出してしまったとします。
当然ですが叱ってください。どのような状況であっても自分から手を出してはいけないことはきちんと知らせるべきです。しかし、ただ叱るだけではいけません。大切なのは、きちんと子どもの立場に立って心に寄り添ったアドバイスを送ることです。
「何回も言ってるのに何で理解できないの!」といった言葉は子どもの自己肯定感を損なうだけなので駄目です。「それは悪い行動」「叩いたらお友達が痛くて可哀そうだよね?」と、子どもの心に寄り添った声かけを徹底しましょう。
失敗を叱るのではなく改善法を教えてあげる
「何でいつも忘れるの!」「どうして何度も言ってるのに叩くの!」「授業中はジッとしてないと駄目って言ってるでしょ!」…このように失敗を叱るのではなく、改善法を教えてあげましょう。
小学生の子どもは自分の気持ちをストレートに伝えるスキルが不十分です。また、どのように改善すればいいのかも明確な答えを持っていません。経験則でしか人間は成長できませんので、子どもの失敗は親がきちんと教育して改善させてあげればいいのです。
「どうして何度も忘れるの」と𠮟るのではなく、「次は忘れないようにこうしよう」と新しい案を提示してください。「授業中におとなしくするためにこうしてみない?」と新しい作戦を子どもに与えてあげましょう。
もちろん愛する子どもの成長のために叱ることは間違いではありません。しかし、それが最善ではない場合もあります。このような方法もあるよと違う道を提示してあげるのも親の努めです。
まとめ
発達障害を持つ子どもが小学校で起こす主なトラブルと、トラブルを起こした後の対処法について紹介してきましたが参考になりましたか?
頻繁にトラブルを起こしてしまう我が子は情けない…こんな風に考えるのは一番ダメです。子どもはトラブルを起こしたくて起こしているわけではありません。大切なのはトラブルを起こさないように子どもを早急に教育するのではなく、きちんと子どもの心に寄り添った教育をすることです。
無学年方式を採用しているアソマナでは、専属のコーチが学習プランをひとりひとり個別で作成しているため、勉強についていけずに不登校になった子どもでも安心して学習に臨めます。
また、上級心理カウンセラーが専属で付いているため、不登校に関する悩みやアドバイスも可能。遊びながら学べるため、外に出て友達も作れます。
発達障害の子どもが学校へ行きたくないと言っている…勉強についていけなくて困っている…そんな悩みを抱えている親御さんは、ぜひアソマナへご相談ください。