年々増加の一途を辿る小学生の不登校。

文部科学省の調査によると、不登校になる直接の原因で最も多いのは学校生活に関する問題。次いで本人、家庭生活と続きます。学校生活に起因する原因で多いのは友人関係、学業の不振、クラブ活動への不適応などで、本人の問題は無気力や不安が挙げられます。

愛する我が子がいきなり不登校になれば、焦りから無理にでも学校へ行かせようと考えてしまうかと思います。しかし、これは逆効果。大切なのは子どもの心理を理解したうえで、親ができる適切な行動を取ることです。

この記事では、不登校になる小学生の心理と、親ができる適切な行動を紹介していきます。小学生の子どもがいきなり不登校になって悩んでいる親御さんは、ぜひ最後までご覧ください。

学校へ行かない小学生の心理

なぜ学校へ行かないのかわからない…不登校になった子どもを抱える親御さんの多くが問題解決を急ぎますが、まず原因が不明というケースも少なくありません。

大切なのは子どもの心と気持ちに寄り添うこと。そのためには、学校へ行かない不登校になってしまった子どもの心理を理解してあげましょう。

反発したい

小学生の子どもを抱えている親御さんのなかには、反抗期はまだ先と思っている方も少なくないかもしれません。しかし、小学生でも家族や学校に対して反発したいという気持ちは芽生えても不思議ではありません。

また、このような気持ちは家庭環境でストレスを感じる場面があったり、学校や規則に対して息苦しいと感じる場合に芽生えてしまうもの。もしかしたら、子どもに対して窮屈な環境を知らない間に強いてしまっているのかもしれません。

  • 両親が構ってくれなくなった
  • 学校や家庭でストレスを抱えている
  • 規則や制度が息苦しい
  • 自由な時間がないと感じている

小学生になると親は子離れを少し考える時期です。しかし、それは子どもにとっては構ってくれなくなったと捉えても不思議ではありません。学校へ行かないという選択肢を取ることで、親に興味を引いてほしいと考える場合もあります

人間関係の構築が苦手

小学校はいきなり本格的な集団生活が始まる場です。今までは親が近くにいて何事も手助けしてくれる環境でしたが、小学校では親が常に近くにいるわけではありません。

何かを頼む時は先生にお願いしなければいけませんし、周りの同級生に合わせて勉強をして友達を作るのも自分が行動しなければいけません。人間関係の構築が苦手な子どもにとっては、それは大きなプレッシャーであり、怖いという感情になっても不思議ではありません。

学校へ行けない子どもの心理として考えてみると、外は怖くて家の中は安全という認識になってしまっている可能性があります。これは、とくに内向的な性格な子どもであったり、人と話すのが苦手な子が陥るケースが多いものです。

失敗が続いて自信を喪失してしまった

小学校は子どもが初めて自信を喪失する場でもあります。

学校では授業、クラスメイトとの会話、部活など、さまざまなことに取り組む必要があります。たとえば、どれだけ勉強しても同級生よりもいい点数が取れない、部活動で勝てない、友達と上手に話すことができないという経験は、人生で初めて感じる失敗です。

失敗が続けば、子どもは自信を失います。端から見れば大したことではないようなものでも、子どもにとっては学校の中が世界のすべてなので大事です。

失敗したら恥ずかしい…嫌な気持ちになる…悔しい…失敗したくないから挑戦したくない…このような心理が、子どもの足を学校から遠ざけてしまうのです。

不登校の子どもに対して親ができる行動

何を言っても子どもが学校へ行かない場合、親は子どもに対して何ができるのでしょうか?ここからは、親が子どもに対してできる行動について紹介していきます。

安心して過ごせる環境を作る

何よりも優先すべき事項は、家庭内で安心して過ごせる環境を作ることです。

不登校になってしまった子どもは、大人で考えると疲労困憊の状態です。疲れ果てて休んでいる時に学校へ行けと急かしても良い成果は得られません。そのため、まずは家庭内では安心して過ごせるよということを言葉と態度で示すことが重要です。

居心地の良い環境を作ってあげれば、子どもは自分の意志で『次の一歩を踏み出したい』と考えます。子どもだってずっと家にいてもいいと思っているわけではありませんので、いつでも次の一歩を踏み出そうと頑張っているからです。

家庭内の問題がストレスとなり子どもが不登校になっているのであれば、その問題解決を第一に考えるべきです。たとえば、ご両親の仲が良くない、お父さんが仕事ばかりで構ってあげられていないなどの問題が明確であれば、子どもと触れあう時間を作ることが大切です。

子どもが前を向けるような環境を作る、これがまず最優先で取り組むべき行動です。

子どもの話に耳を傾ける

子どもが不登校になり家でダラダラ過ごしていると「甘えている」「怠けている」と親御さんは考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。子どもは次の一歩を踏み出すために休息しているだけです。

そのため、きちんと子どもの話に耳を傾ける時間を作りましょう。もしかしたら、不登校でダラダラしている子どもは学校へ行きたいかもしれない、学校ではなくても勉強はしたいのかもしれません。そんなことも、親が子どもの話に耳を傾ける気がなければわかりませんよね

まずは子どもとしっかりと話をして、相談でも悩みでも気軽に話せる環境を作りましょう。そうすれば、学校へ行く行かない以外にも、さまざまな問題を解決できるかもしれません。今の時代、学校へ行かずとも勉強ができる環境は多くあります。

サポート団体への支援を検討する

子どもの不登校は親が悪いわけではありません。そのため、子どもと親だけでは解決できない場合があります。そんな時は、誰に躊躇することなく、サポート団体へ相談してみましょう。

  • 自治体の子育て相談窓口
  • 児童相談センター
  • 教育支援センター
  • カウンセラー
  • フリースクール

子どもが不登校になってしまった親御さんは、自分達の過程だけで問題を解決しようとしてしまいますが、これは大きな間違いです。自分達で解決できなければ周りに相談してください。そうすれば、自分達だけでは見つけることができなかった解決への糸口が開くはずです

公的団体は市町村が設置している窓口がありますし、フリースクールへ相談して勉強の問題を解決することも可能です。繰り返しになりますが、今の時代は学校へ行かずとも勉強することはできますし、学校以外のところで居場所を見つけて友達を増やすこともできます。

親は子どもが正しい道へ進むための指標を作らなければいけません。そのためには、公的な相談窓口で話を聞くという選択肢を早めに検討する方が良いかもしれません。

まとめ

不登校になる小学生の心理と親が取るべき行動を紹介してきましたが参考になりましたか?

親と学校への反発、自信喪失、友達が作れないなど、小学生になり集団行動が活発になるとさまざまな問題で子どもは学校へ行きたくなくなります。今の時代は、不登校はまったく珍しいものではありませんので、すべての家庭で起こり得るものです。

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今は不登校の子どもを無理して学校へ行かせるだけが解決策ではありません。しっかりと子どもと話したうえで、学校へ行く以外の選択肢があることもきちんと提示してあげましょう。