不登校は子どもだけではなく親へも大きな精神的負担を及ぼします。
もちろん、最も苦しみ悩んでいるのは他ならぬ子どもです。しかし、不登校になった子どもをサポートして支えなければいけない親も、不安とプレッシャーに圧し潰されそうになる時があるはず。中には精神と肉体の疲労がピークを迎え、うつ病のような症状を発症してしまうケースもあります。
不登校を解決するには長い時間が必要な場合が多いです。また、先の見えない戦いになることが多いのが不登校なので、気が滅入ってしまうのは何ら不思議なことではありません。
この記事では、子どもの不登校で気分が滅入っている方におすすめのメンタルケアの方法を紹介していきます。考え方を少しだけ変えるだけでもメンタルは楽になりますので、子どもの不登校で悩んでいる親御さんは、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも『うつ』とは
そもそも「うつ」とは何なのか。まずはそこから説明していきましょう。
うつとは気分障害のひとつです。大きく「うつ病性障害」と「双極性障害」に分類されますが、基本的には気分が落ち込んだり憂鬱になる症状であると考えれば間違いありません。
主なうつの症状は以下の通りです。
- 気分が落ち込んでしまう
- 何事にも関心が持てない
- イライラする
- 常に不安な気持ちがある
- 意欲がなくなる
- ぼんやりしている時間が増える
- 口数が少なくなる
- 飲酒量が増える
- 喜んだり楽しむことができない
他にもさまざまな症状がありますが、一般的には「何をしても気分が晴れない状態」になる場合が多いです。うつは脳の働きが原因で発症するといわれていますが、現代医学をもってしても全容を解明できているわけではありません。
つまり、不登校児の親がうつになってしまう理由に関しても、なぜそうなってしまうのかはわからないというわけです。
子どもが不登校になって不安や心配という気持ちが募りすぎることが起因していますが、どのように発症していくのかのメカニズムは完璧には判明していません。
不登校児の親がうつになる理由
文部科学省の調査によると、不登校の小学生は6万3350人で中学生は13万2777人です。長期欠席を続ける生徒の数は8年連続で増加しており、減少の兆しは見えていません。
不登校は子どもだけの問題ではありません。明るい未来を共に模索していく必要があるため、子どもだけではなく親御さんに対しても多大なる不安が圧し掛かります。
はじめに、不登校児の親がうつになる理由から説明していきましょう。
子どもへの接し方がわからない
うつが発症する原因として、脳神経伝達物質のバランスが崩れているというものがあります。
脳神経伝達物質とはセロトニン、ノンアドレナリン、ドパミンといったもので、これらが乱れることで気持ちが不安になり、うつを発症してしまうというわけです。
これを不登校児を抱える親御さんに重ね合わせて考えてみましょう。
不登校になった子どもに対して親御さんはどのように接すればいいかわからない時があります。まるで腫れ物を触るように接するようになってしまう親御さんも多く、実の子どもでありながら話しかけるのも話す内容も気を遣うようになり、自宅にいながら心が休まる時がないという状態が続く場合があります。
そうなると、心は常に不安や心配の糸が張り詰めている状態です。人間は心が常にリラックスできていない状態では正常な状態を維持できません。
子どもへの接し方がわからないことで自分自身を追い詰めてしまい、心の拠り所をなくしてうつを発症してしまうケースは十分に考えられます。
自分自身を責めてしまう
もしかしたら子どもが不登校になってしまったのは私のせいではないか…私の育て方が悪かったのではないかと必要以上に自分を責めてしまう親御さんがいます。
実は、うつには発症しやすい性格というものがあります。
- 完璧主義者
- 自分に厳しい
- 凝り性
- 几帳面
- 八方美人
- 気を遣いすぎる人
- 生真面目
自分自身に厳しい人、凝り性の人、生真面目な人はうつを発症しやすいといわれています。
その理由は、人よりもストレスを抱えやすいためです。たとえば、気を遣いすぎて周囲の環境を気にしすぎる人と、気を遣わずに楽しめる人ではどちらがストレスを抱え込みやすいかを考えればわかりますよね。
子どもが不登校になった原因は自分にあると責めすぎてしまうことで、自分自身を追い込んでうつを発症してしまうのです。
不登校児の親におすすめしたいメンタルケア
ここからは、不登校児の親におすすめのメンタルケアの方法を紹介していきます。気分が落ち込んでしまっている、うつを発症しやすい性格だという方は、自分自身が追い詰められる前に、ぜひ以下で紹介するケアの方法を実践してみてください。
ひとりの時間を作る
まず大前提として伝えたいのは、子どもの不登校は親御さんにすべての責任があるわけではないということ。そして、そもそも不登校が悪いことではありませんので、自分自身を責める必要すらないということです。
そのため、不登校になった子どもが常に家にいるような環境であっても、寄り添いすぎないようにしてください。もちろん疲れている子どもと寄り添い、会話をする時間は重要です。しかし、子どもだけが人生の全てではありません。
子どもは愛し人生を捧げてでも守る対象ですが、自分自身に厳しくしすぎてしまい自分の体調を崩してしまっては元も子もありません。
子どもが不登校で家に常にいる状態であっても、必ず自分ひとりの時間を作りましょう。また、リラックスできる趣味や好きなことに使う時間を確保することも重要です。気分転換を図ることで子どもに対してもスッキリとした気持ちで向き合うことができるはずです。
よく食べてよく眠る
子どものようなケア方法ですが、うつを解消するケアとしてはとても優秀なのが「よく食べてよく眠る」というもの。
動く元気がある場合はここに「よく動く」というのも付け加えてください。人間はセロトニンを活性化させると落ち込んでいる気持ちが晴れるといわれています。このセロトニンを効率的に摂取できる一番の方法は日光を浴びることなので、防犯面で不安がない方はカーテンを開けて眠ることをおすすめします。
よく食べてよく動いた後に朝日を浴びて起きると、落ち込んでいる気分を解消できる効果を高めるセロトニンを多く摂取しているので気分が晴れます。
うつの症状に悩んでいる時は小食になり睡眠も不足していきます。こうなるとどんどん症状が悪化していき逆効果なので、よく食べてよく眠るという人間として生きる根本的な方法から改善してみましょう。
専門家へ相談する
世の中には心の病気を治すプロが多くいます。
不登校児を持つ親御さんが最も懸念すべき点は孤独なので、周囲から孤立しすぎてしまわないように、必ず気軽に相談できる相手は見つけておきましょう。それは友達でも家族でも夫でも誰でも構いません。
家庭内で解決できないのであれば専門家へ相談しましょう。最近は、不登校児に勉強を教えるフリースクールに専門のカウンセラーが在籍している場合があります。
誰かに自分の悩みを相談するだけでも気分が晴れたり、少しだけ楽になることは多々あります。自分ひとりだけで抱え込まずに、辛いときは吐き出しましょう。
⇒上級心理カウンセラーや不登校心理カウンセラーが在籍!アソマナであれば不登校に関する日常の悩みを気軽に相談できます。
まとめ
不登校児を抱える親がうつになる理由とメンタルケア方法を紹介していきました。
不登校を解決するためには長い時間がかかります。そのため、もちろん子どもは最も辛い立場にありますが、サポートする親御さんにも多くの精神的不安が圧し掛かるもの。子どもの前ではしっかりしなければいけないという責任感も自分自身を追い詰めてしまう原因になります。
自分が元気でなければ子どもをしっかりとサポートすることはできません。子どものことをしっかりと考えるためにも、まずは自分自身の健康を管理しましょう。