思春期の真っ只中にいる「中学生」は、多感な時期です。子どもから大人への成長途中という大切な時期であるため、不登校の息子さんがいらっしゃる親御さんは悩みを抱えてしまっていることが多いです。
中学生は、小学生や高校生と比べて不登校の割合が多い時期でもあります。また、中でも中学生男子は中学生女子よりも不登校の人数が多くなっています。
不登校になる理由やきっかけは子どもによっても異なりますが、何の理由もなく不登校になるとは考えにくく、「不登校になった原因」を知ることがとても大切です。
この記事では、中学生男子が不登校になる原因や、不登校の対策、ご家族がやってはいけないことについて詳しく解説していきます。
中学生男子が不登校になる原因
不登校になる理由は子どもによっても異なりますが、原因は一つではなく、いくつかの原因が絡み合って不登校になっていることがほとんどです。
たとえば、勉強についていけなくなってしまい、友達から仲間外れにされてしまったことから不登校になってしまったケースでは「学業不振」と「友人関係」が主な原因と考えられます。
ここからは、中学生男子が不登校になる主な原因をご紹介します。
友人関係・人間関係
中学生になると、小学生の頃以上にグループを組んで遊ぶ子どもたちが多いです。
仲の良い友達同士で楽しく遊んでいる分にはなんの問題もありませんが、多感な時期ということもあり、ちょっとしたことがきっかけでグループから仲間外れにされ孤独になり、学校に行けなくなってしまうことがあります。
勉強についていけない劣等感から友達と素直に話せなくなってしまった、クラス替えで親友と別のクラスになってしまったなど、友人関係や人間関係は不登校となる原因の中でも最も多いとされています。
友達だけではなく「担任の先生と話が合わない、苦手」という点も、不登校につながることがあるようです。
いじめ
いじめというと、暴力など物理的な嫌がらせというイメージがあるかと思いますが、近年ではSNSを使ったいじめも見られます。SNSを介したいじめの場合、「学校内に限らないこと」「いじめる側が匿名であること」ことが特徴です。
また、中学生になると、自分のコンプレックスに目が向くようになります。思春期はニキビなどの肌荒れ、声変わり、身長や体重の変化など、身体的な変化も大きい時期です。
すでに思春期を乗り越えて大人になった親御さん世代からするとほんの些細なことであっても、本人にとって非常に重要な問題です。コンプレックスを同級生に指摘されることで、不登校になってしまうケースもあります。このようなケースでは、いじめている側が「いじめ」と認識できていない可能性もあるでしょう。
学業不振
学業不振も、中学生男子が不登校になる原因の一つです。小学校の勉強と、中学校の勉強では難易度が大きく異なります。また、試験結果や成績の良し悪しもはっきり目立ちはじめます。
学校によっては、試験の順位が公開されることもあり、勉強ができる・できないの差は一目瞭然になります。
「成績が悪いことを友達にバカにされた」「勉強に躓いてしまい追いつけなくなってしまった」などの理由から不登校になってしまう子もいます。
ただし、インターネットが発展した現代では、不登校でも勉強できる環境が整っています。学業不振が原因となっていると考えられる場合は、オンライン学習ができるサービスなどもおすすめです。
アソマナ学園では小学生・中学生・高校生を対象にオンラインサポートも行っています。
進路に関する不安
中学生になると、周囲と比較することが増え、進路への不安を感じる子どもが多くなります。
「友達は成績がいいのに、自分は成績が悪い。希望する学校に落ちてしまうかもしれない。この先の人生でも上手くいかないかもしれない」など、負い目を感じたり、自分はダメだと悩んでしまうのです。
このような不安から、不登校になってしまう中学生男子もいます。進路は一つではなく、たくさんの選択肢があります。多くの選択肢があるということを知らない、理解できていない可能性もあるため、進路について話し合うタイミングを設けてもいいかもしれません。
ゲームやスマホの影響・生活リズムの乱れなど
不登校の理由としてそこまで多くはないものの、中学生男子の場合、中学生女子に比べるとゲームやスマホなどの影響もあるようです。
ゲームに熱中することは悪いことではありませんが、「ゲームをすることで現実逃避している」「毎日、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障が出ている」という場合は、ゲームが悪影響になっていると考えられます。
ただし、ゲームやスマホは単体の原因ではなく、ほかの「友人関係や人間関係」「学業不振や進路への不安」などの原因と絡んでいる場合が多いようです。
また、生活リズムの乱れも不登校になるきっかけです。「朝起らきれなくなった」「ゲームやスマホのやり過ぎで寝る時間が遅くなり、生活リズムが乱れた」などの理由から学校に行くのが面倒になり、休みがちになったことから友達との交流が減ると、不登校につながります。
起立性調節障害(OD)という病気が原因ということも考えられます。低血圧になり「頭が重たい」「だるい」などの症状が表れる自律神経の病気で、思春期の子どもの1割ほどがかかるとされています。
不登校になった中学生男子のためにできる対策
ここからは、不登校で悩んでいる中学生男子のお子さんのためにご家族ができる方法や対策について、解説していきます。
ただし、これらのことを実行したからといって、すぐに不登校が解決するというわけではありません。気長に、焦らず、子どもに寄り添う気持ちでコミュニケーションを取る必要があります。
学校を休んでいいと伝える
親としては学校にいってほしいと思うかもしれませんが、子どもが「学校に行きたくない」と言うときは、否定をしないことが大切です。
「学校に行かないでもいいよ。休んでもいいよ」ということを、言葉にして伝えましょう。
不登校の子どもは、ただ学校を休みたいと思っているわけではなく、複雑な葛藤を抱えています。「学校に行きたくない。でも、休むのはダメなこと。だけど、学校に行くのがつらい」つらいときに気持ちを否定されると、さらに落ち込んでしまいます。
言葉にして「学校を休んでもいい」と伝えることで、子どものつらい心を楽にしてあげることができます。
親が自分の味方であるということもわかるため、子どもが本音を打ち明けやすくなることもメリットです。
自信をつけてあげる
不登校になってしまう中学生男子の中には、自分に自信を持てないという子も多いです。そして、不登校になることでさらに自己肯定感が低下してしまいます。
不登校中、どんなことでもいいので、子どもに自信をつけてあげましょう。勉強でなくとも構いません。趣味や子どもの興味があることに取り組ませ、それを褒めてあげましょう。
ほんの小さな成功体験でも、コツコツと積み上げていけば自信につながります。
不登校になった中学生男子に対してやってはいけないこと
中学生男子のお子さんが不登校になってしまった際、やってはいけないこともあります。
- 無理に学校に行かせる、外出させる
- 過剰な期待を向ける
- いじめの犯人探しを行う
- 「甘えている」「怠けている」と扱う
子どもを想う気持ちからしたことで、状況が悪化してしまっては親御さんも息子さんも悲しい思いをすることになります。息子さんを追い詰めてしまうことがないよう、意識してみてください。
まとめ
中学生は多感な時期で、不登校の子どもの人数は多いです。文部科学省が公表した文部科学省による「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によれば、不登校の中学生は132,777人にものぼることがわかっています。
しかし、文部科学省が行った調査の「『不登校に関する実態調査』~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)」によれば、中学校時代に不登校だった人も「就業のみ34.5%」「就学のみ…27.8%」「就学かつ就業…19.6%」と、ほとんどの人が就職もしくは進学していることがわかります。
息子さんが自発的に一歩を踏み出せるよう、サポートを続けながらじっくり時間をかけ、待つ姿勢を忘れないようにしましょう。
不登校中の勉強が心配という場合は、オンライン・スクーリングの両方で休学中のさまざまな悩みを解決へつなげる『アソマナ学園』にご相談ください。無学年方式で、学年に関係なく学力に応じた学習ができます。
「アソマナ無料スクーリング体験」も実施しておりますので、まずは一度お気軽にご相談ください。